会期:2015年9月12日 - 10月2日(会期延長されました)    入場無料
開館時間:金曜、土曜、日曜 12 - 6 pm
オープニング・レセプション: 9月12日土曜日 6 - 9 pm
会場:WAH Center (Williamsburg Art & Historical Center) 135 Broadway, Williamsburg Brooklyn, New York
近くのサブウエイ駅:Lトレイン Bedford Ave または J,M,Zトレイン Marcy Ave     地図

アート&テクノロジーを用いた現代のアートは、メディア・アートとひとつのジャンルで呼ばれがちですが、
「WAH: A New Diversity」では、3人のアーティストがそれぞれのメディアとテクノロジーで現在の表現に挑みます。

Curator, Yuko Nii, Founder and Artistic Director of the WAH Center, would like to thank both Hazel Santino,
Curator at Brooklyn Fireproof (BFP) Collective LLC and Kyoko Sato Ono, Independant Curator/Exhibition Producer, for their kind help.




小島健治: RGB Music Series







「RGBミュージック」は、ニューヨークのアーチスト小島健治が2007年から始めた、視覚データからコンピュータ・アルゴリズムで音楽を作り出し、視覚と聴覚の境界を乗り越えようとするアートのシリーズです。このプロジェクトは画家のカンデンスキーや、作曲家のスクリアビンなどの共感覚(Synesthesia)のアートを思い起こさせることから、「Techno Synesthesia」と呼ばれることもあります。

プロジェクトの中核となる技術は、小島が2007年から開発しているコンピュータ・プログラム「RGB MusicLab」です。RGB MusicLabはデジタル・イメージの色彩値を、12音階の楽譜に変換します。プログラムはピクセルの持つRGB(Red, Green, Blue)値120を中央のド(C)の音として、数値の上下の移動で音階を決定します。一つのピクセルから3音のハーモニーを作り出し、音の長さはピクセルの明暗の度合いで変化させます。

今回WAHセンターでのエキジビションは、これまで制作した代表的なRGBミュージック3作品をビデオ・キャプチャーして、新しく編集した約1時間の作品をWAHセンターの大壁面にプロジェクトするインスタレーションです。RGBミュージックのオリジナル作品は、すべて「RGB MusicLabテクノロジー」でプログラミングされたソフトウエア・アートです。RGB ミュージック・シリーズのこれまでのエキジビションと受賞は、このページ最後のリストをご覧ください。

画像を音楽にするアプリ「RGB MusicLab」MacOS版 & Win版 ダウンロード http://kenjikojima.com/rgbmusiclab/
エキジビション限定パスワード:kenjikojima@wahcenter(有効期限 2015年10月2日)
エキジビション終了までにパスワードを使えばフルファンクションのRGB MusicLabになります。
通常は50ドル以上ドネーションくださった方に差し上げています。フルファンクションのアプリは期限以降も使えます。
小島健治のアートワークをサポートくださる方は、右上の「PayPal」をクリックしてドネーションお願いします。


Subway Synesthesia(ビデオ20:05)
2008年ニューヨーク市 ACインスティチュートで初公開
小島がデジタル撮影したニューヨークの地下鉄シリーズ(2005 - 2007)を、2枚づつの組写真にしてシンプルな文章を重ね、その視覚データを音楽にしました。写真は何万もの小さなピクセルの集積で画像を作り出しますから、プログラムは始めに写真をモザイク状にしてピクセル数を調整し、音楽の時間をコントロールします。RGBから作られるハーモニーの数値は画像中央に表示され、音が演奏されるごとに立方体で表現されたRGBカラー・キューブに描かれます。

 


999 Views of Skyscrapers from Great Lawn in Central Park(ビデオ20:26)
2010年 ベルリン市 PROCESSフェスティバル「Sound from Systems」で初公開
ニューヨーク市セントラルパークのグレート・ローンから、ミッドタウンの摩天楼を望む999点の定点撮影を素材としたプロジェクト。定点撮影は同じアングルで、時間日時を変えて撮影する写真の手法で、同じ背景で天気、通行人等の変化による違いを、30秒前後のRGBミュージックとスライド・ショーとの組み合わせで構成しています。プログラムは写真をランダムに選択し、楽器、テンポ、曲の調もランダムに設定したインプロビゼーションです。全曲の演奏は5時間以上の作品です。ニューヨークでは未公開。

 


Composition FUKUSHIMA 2011 (ビデオ 25:12)
2012年 サンパウロ市 FILEインターナショナル・フェスティバル「Hypersonica」で初公開
2011年に1年間続けられたウェブ・プロジェクト「RGBミュージック・ニュース( http://kenjikojima.com/newsmusic/ )」から、3月の福島原発事故に関する曲だけを選び出し、コンポジションとした作品です。RGBミュージック・ニュースは、インターネット上の5つの新聞社(The New York Times, The Guardian.co.uk Music, Spiegel Online Music, El País.com Music, Le Monde.fr Music)が掲載した写真を素材として、年間で5016曲を作曲したプロジェクトです。作品は311の衝撃からアートに何ができるかを追求した結果制作されました。この作品は102分版、26分版、10分版が作られ、世界各地で公開されています。10分版はACM SIGGRAPH(アメリカ・コンピュータ学会アート部会)のオンライン・エキジビションにも選ばれました。

 


小島健治略歴: 小島健治は1980年からニューヨーク市で制作し続けているアーチストです。20世紀アートの向かっている方向に疑問を持っていた小島は、始めまったく違う文脈から現代を構築し直そうと、中世の技術材料を使ったエッグテンペラ画を描き始めました。その頃制作した絵画作品は、CITIBANK、 Hess石油、WAHセンターに収集されています。その後80年代急速に発展したパーソナル・コンピュータに、21世紀のアートの可能性を見つけ、90年代初期からコンピュータを使った知覚・認識・時間の関連を探求するアートに制作の中心を切り替えます。1996年から2002年までのウェブ作品は、ニューヨークの「the New Museum・デジタル部門Rhizome」にクローンでアーカイブされました。「RGBミュージック」は2007年に小島がプログラムしたアート・ソフトウエア「RGB MusicLab」から生まれた、音楽、視覚芸術の境界を乗り越える、コンピュータ・テクノロジーで共感覚を追求するアートワークです。「RGBミュージック・シリーズ」はニューヨーク市で個展、ヨーロッパ、ブラジル各地のメディア・フェスティバルやインターネット上で高く評価されているアート・エキジビションに選出されました。現在能楽の舞から音楽を作り出すメディア・パフォーマンス「相舞 [I-My]」を、2015年12月ニューヨーク公開予定で制作しています。

小島健治ウェブサイト http://kenjikojima.com
アプリケーション「RGB MusicLab」 Mac OS / Windows http://kenjikojima.com/rgbmusiclab/
エキジビション限定「RGB MusicLab」パスワード:kenjikojima@wahcenter(有効期限 2015年9月27日)



Exhibitions and Awards: RGB Music Series:
2015 "Enhanced Vision – Digital Video" by the ACM SIGGRAPH Digital Arts Community
2015 "3.11 - Dialogue with Fukushima" Kosmos Lane Studio & Gallery, Tokyo, Japan
2015: "Anti-Nuke Power Art" Fort Lee Public Library 320 Main Street Fort Lee, NJ.
2014 Multi-Projection Sound Installation "Composition FUKUSHIMA 2011", MediaNoche, New York, NY
2014 "Composition FUKUSHIMA 2011" CologneOFF X Video Art Festival by the New Museum of Networked Art
2014 "Composition FUKUSHIMA 2011" 10 minutes video, "BRAVE NEW WORLD" Video Art Festival, Berlin, Germany
2013 "ESPACIO ENTER 2013" International Festival of Art Science Innovation, Tenerife, Canary Islands, Spain
2012 "RGB Music News", Web Biennial 2012, Istanbul Contemporary Art Museum, Turkey
2012 "Composition FUKUSHIMA 2011", FILE SP / Hypersonica, São Paulo, Brazil
2012 "RGB Music News" , FILE RIO, Rio de Janeiro, Brazil
2011 "RGB Music News" , FILE Media Art 2011, São Paulo, Brazil
2011 "RGB Music RENGA: New York City Subway”, "Live Herring 11" Media Art Festival, Jyväskylä Art Museum, Jyväskylä, Finland
2010 Contemporary International New Media Art Invitational, Wuhan University of Technology, China
2010 "RGB Music RENGA: New York City Subway", FAD (Festival de Arte Digital) , Belo Horizonte, Brazil
2010 "999 Views of Skyscrapers from Great Lawn", FILE PRIX LUX 2010, Web Exhibition of Nominees of the Prize, Brazil
2010 "999 Views of Skyscrapers from Great Lawn", PROCESS Festival "Sound from Systems", Ausland, Berlin, Germany
2009 36th Bourges International Competitions New Practices of Netart, Bourges, France
2009 Pixelstorm Award "RGB into Music" Honorary Mention, Basel, Switzerland
2009 "Subway Synesthesia", RE-NEW Digital Art Festival, Copenhagen, Denmark.
2008 Sound Installation & Photographs "Subway Synesthesia", AC Institute, New York, NY