show Japanese | 日本語 メディア・パフォーマンス『相舞 [I-MY] について
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概要:『相舞 [I-MY] 』は、日本の古典舞台芸術の能楽「二人静」の舞が作り出す、明暗の視覚データをコンピュータ・アルゴリズムで音楽に変換し、視覚から聴覚の領域に踏み込む実験的なメディア・パフォーマンスを作りだして、「能」の創造性の現代への再現を試みています。
能楽「二人静」あらすじ:正月七日に吉野山の勝手明神の女が、神事のため若菜摘みを命じられ野に出た際に、自分を供養して欲しいという怪しげな女に会います。若菜摘み女は恐ろしさに信じられない思いで明神に戻ってその話を神職にすると、源義経の愛人だった静御前の霊が若菜摘みの女に取り憑き、女は静御前が勝手明神に奉納した装束をつけて、静御前の過去の思いを語りながら舞い始めます。すると同じ姿の静御前の霊が現れ女と沿うように同じ舞を舞い、二人は舞終わって霊の魂は供養されて消えてゆきます。
技術的な説明:「相舞」は能の舞に使われる言葉で、二人の舞い手がほぼ同じ舞を笛と太鼓と謡のバックで舞います。メディア・パフォーマンス『相舞 [I-MY] 』では、能楽で使われる装束、楽器、音楽、謡は使わず、「二人静」の相舞の部分だけを取り上げ、舞によってつくられる明暗のデジタルデータを、小島健治が開発した「RGB Music」のアルゴリズムで音楽に変換して演奏します。『相舞 [I-MY] 』の舞と音楽は、ビジョンとリアリティの2層で構成されます。第1層のビジョン(幻影)である静御前の霊の舞は、あらかじめ撮影されたビデオ画像のデータから音楽が作られ、バックドロップとして背景に投影されます。これは見える存在ですが、実体はありません。第2層のリアリティ(現実)の若菜摘みの女は、ビジョン(静御前の霊)と同一の舞い手が背景に投影された前面で舞います。こちらは実体のある生きている存在ですが、憑依された人格です。これらは「見える聴覚」「聞こえる視覚」のメタファーとしての表現とも重なる役割を果たしています。第1層と第2層の視覚データはさらにビデオカムを通して、ライブでその場の双方の舞の音楽を全体に重ねて演奏します。背景にプロジェクトされる静御前の霊の舞のビデオには、ビデオの視覚データから作られた音楽と、二人の舞を合わせるための符牒となる意味を持たない言葉が同時に謡われます。また背景のプロジェクションには、能舞台の「松」をシンボル化した表意文字を映し、慶長年間に作られた「二人静」の謡曲本を左から右に流し、「二人静」の能舞台と語りとを象徴化しています。
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概要:『相舞 [I-MY] 』は、日本の古典舞台芸術の能楽「二人静」の舞が作り出す、明暗の視覚データをコンピュータ・アルゴリズムで音楽に変換し、視覚から聴覚の領域に踏み込む実験的なメディア・パフォーマンスを作りだして、「能」の創造性の現代への再現を試みています。
能楽「二人静」あらすじ:正月七日に吉野山の勝手明神の女が、神事のため若菜摘みを命じられ野に出た際に、自分を供養して欲しいという怪しげな女に会います。若菜摘み女は恐ろしさに信じられない思いで明神に戻ってその話を神職にすると、源義経の愛人だった静御前の霊が若菜摘みの女に取り憑き、女は静御前が勝手明神に奉納した装束をつけて、静御前の過去の思いを語りながら舞い始めます。すると同じ姿の静御前の霊が現れ女と沿うように同じ舞を舞い、二人は舞終わって霊の魂は供養されて消えてゆきます。
技術的な説明:「相舞」は能の舞に使われる言葉で、二人の舞い手がほぼ同じ舞を笛と太鼓と謡のバックで舞います。メディア・パフォーマンス『相舞 [I-MY] 』では、能楽で使われる装束、楽器、音楽、謡は使わず、「二人静」の相舞の部分だけを取り上げ、舞によってつくられる明暗のデジタルデータを、小島健治が開発した「RGB Music」のアルゴリズムで音楽に変換して演奏します。『相舞 [I-MY] 』の舞と音楽は、ビジョンとリアリティの2層で構成されます。第1層のビジョン(幻影)である静御前の霊の舞は、あらかじめ撮影されたビデオ画像のデータから音楽が作られ、バックドロップとして背景に投影されます。これは見える存在ですが、実体はありません。第2層のリアリティ(現実)の若菜摘みの女は、ビジョン(静御前の霊)と同一の舞い手が背景に投影された前面で舞います。こちらは実体のある生きている存在ですが、憑依された人格です。これらは「見える聴覚」「聞こえる視覚」のメタファーとしての表現とも重なる役割を果たしています。第1層と第2層の視覚データはさらにビデオカムを通して、ライブでその場の双方の舞の音楽を全体に重ねて演奏します。背景にプロジェクトされる静御前の霊の舞のビデオには、ビデオの視覚データから作られた音楽と、二人の舞を合わせるための符牒となる意味を持たない言葉が同時に謡われます。また背景のプロジェクションには、能舞台の「松」をシンボル化した表意文字を映し、慶長年間に作られた「二人静」の謡曲本を左から右に流し、「二人静」の能舞台と語りとを象徴化しています。
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